矢野経済研究所の調査で、2010年には国民の27%がワンセグ携帯を利用する、との結果が出たそうだ。
2010年には国民の27%がワンセグ携帯を利用 - IT - nikkeibp.jp
調査の方法論上の問題もあるとは思うが、にわかにこの結果を見て、「へぇ、じゃあワンセグはこれからメジャーになっていくんだね!」とは信じられない。
この点について考える前にちょっと触れておきたいのは、携帯各社は使われるかどうか、極めて微妙な機能をわんさか携帯電話に盛り込んでいる。その結果がこれだ。
堂々の第一位に「動画再生」がランクインしている。
勿論、この場合の「動画再生」と「ワンセグ」がイコールの関係で結ばれるわけではない。しかしながら、なぜ動画再生が使わない機能の一位になっているのか、そこを考えると、矢野経済研究所の調査には、かなり大きな疑問符が付く。
私は携帯電話でFMラジオはよく聴いている。しかし、テレビを見たいとはあまり思わない。まず第一に、画面がテレビを見るにはあまりにも小さいということ。ただし、私は使ったことはないが、携帯電話でJAVAを利用したゲームが普及していることを考えると、一概に画面が小さいだけの理由で普及しないとは考えられない。しかし、音声が出なくてもそれなりに楽しめるゲームと、音声と画像の両方が一致して初めてコンテンツとして成り立つテレビとの違いは意外に大きいのかも知れない。
第2に、バッテリーの問題がある。バッテリーについては、燃料電池の小型化やディスプレイの有機EL利用等々、技術革新によって長時間かが計られるかもしれない。しかし、現状ではワンセグを利用すると、電池が3時間程度で切れてしまう(http://allabout.co.jp/computer/av/closeup/CU20060115A/index3.htm)。
ワンセグを利用するユーザーが、携帯電話をヘビーに使うユーザー層と重なるとすると、電池は恐らく1時間も持たずに切れるだろう。これはかなり深刻な技術的課題だ。
第3に、そもそも携帯でテレビが見られることがいったいユーザーにとって何の意味があるのか、ということだ。
携帯でテレビが見られれば嬉しいかも知れないがなくてもよい。恐らく、携帯電話各社がコンテンツ開発に旺盛なのは、付加価値を付け続けて過当競争に陥るのを避けたいからだろう。だが、もしもワンセグをそうした付加価値として活用したいのであれば、FMラジオが着うたと連動しているように、自らのビジネスモデルに組み込まなくてはならない。現状ではあまりそういったコンテンツ開発が成されているように思えない。
色々と書いてきたが、結局言いたいことは、900人だかモニターをした結果、使うと言っている人が沢山いたから普及する、という安直な結論は何の説得性もないと言うこと。
顧客が「使いたいと思っている」ということと、「実際に使う」ということにはギャップがある。恐らく、そのギャップが現在の携帯電話端末の高機能嗜好であり、しかしその実殆ど使われない機能の固まりになっていることの要因であろう。
実際には「ワンセグを利用」ではなくて、「ワンセグ機能が搭載されているけれど、殆ど使われない携帯が普及」、などということにならないためには、携帯電話各社はワンセグの放送コンテンツが、携帯電話で見られることの意義を積極的に開拓しなくてはならないし、物理的・技術的に乗り越えるべき壁も大きい。そういった点を考えると、この調査結果の示す予測数値はあまり信用できない。
2010年には国民の27%がワンセグ携帯を利用 - IT - nikkeibp.jp
調査の方法論上の問題もあるとは思うが、にわかにこの結果を見て、「へぇ、じゃあワンセグはこれからメジャーになっていくんだね!」とは信じられない。
この点について考える前にちょっと触れておきたいのは、携帯各社は使われるかどうか、極めて微妙な機能をわんさか携帯電話に盛り込んでいる。その結果がこれだ。
goo ランキング |
あまり使わない携帯電話の機能ランキング |
1 | 動画再生 |
2 | おサイフケータイ機能 |
3 | TV電話 |
4 | ワード/エクセル/PDFビューアー |
5 | 録画(ビデオカメラ機能) |
6 | PCサイトビューアー(フルブラウザー) |
7 | 音楽再生 |
8 | 赤外線通信 |
9 | バーコードリーダー |
10 | アプリ |
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堂々の第一位に「動画再生」がランクインしている。
勿論、この場合の「動画再生」と「ワンセグ」がイコールの関係で結ばれるわけではない。しかしながら、なぜ動画再生が使わない機能の一位になっているのか、そこを考えると、矢野経済研究所の調査には、かなり大きな疑問符が付く。
私は携帯電話でFMラジオはよく聴いている。しかし、テレビを見たいとはあまり思わない。まず第一に、画面がテレビを見るにはあまりにも小さいということ。ただし、私は使ったことはないが、携帯電話でJAVAを利用したゲームが普及していることを考えると、一概に画面が小さいだけの理由で普及しないとは考えられない。しかし、音声が出なくてもそれなりに楽しめるゲームと、音声と画像の両方が一致して初めてコンテンツとして成り立つテレビとの違いは意外に大きいのかも知れない。
第2に、バッテリーの問題がある。バッテリーについては、燃料電池の小型化やディスプレイの有機EL利用等々、技術革新によって長時間かが計られるかもしれない。しかし、現状ではワンセグを利用すると、電池が3時間程度で切れてしまう(http://allabout.co.jp/computer/av/closeup/CU20060115A/index3.htm)。
ワンセグを利用するユーザーが、携帯電話をヘビーに使うユーザー層と重なるとすると、電池は恐らく1時間も持たずに切れるだろう。これはかなり深刻な技術的課題だ。
第3に、そもそも携帯でテレビが見られることがいったいユーザーにとって何の意味があるのか、ということだ。
携帯でテレビが見られれば嬉しいかも知れないがなくてもよい。恐らく、携帯電話各社がコンテンツ開発に旺盛なのは、付加価値を付け続けて過当競争に陥るのを避けたいからだろう。だが、もしもワンセグをそうした付加価値として活用したいのであれば、FMラジオが着うたと連動しているように、自らのビジネスモデルに組み込まなくてはならない。現状ではあまりそういったコンテンツ開発が成されているように思えない。
色々と書いてきたが、結局言いたいことは、900人だかモニターをした結果、使うと言っている人が沢山いたから普及する、という安直な結論は何の説得性もないと言うこと。
顧客が「使いたいと思っている」ということと、「実際に使う」ということにはギャップがある。恐らく、そのギャップが現在の携帯電話端末の高機能嗜好であり、しかしその実殆ど使われない機能の固まりになっていることの要因であろう。
実際には「ワンセグを利用」ではなくて、「ワンセグ機能が搭載されているけれど、殆ど使われない携帯が普及」、などということにならないためには、携帯電話各社はワンセグの放送コンテンツが、携帯電話で見られることの意義を積極的に開拓しなくてはならないし、物理的・技術的に乗り越えるべき壁も大きい。そういった点を考えると、この調査結果の示す予測数値はあまり信用できない。
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