進化するユニクロ

今回は手短に。
ユニクロの前期経常利益が25%向上したと発表された。ファストリの前期、経常益25%増
同記事によると、経常利益率の増加は、「在庫管理や生産調整の精度が高まり、粗利益率が改善した」ためだと述べられている。
ユニクロのようなSPA(アパレル製造小売業)では、サプライチェーンマネジメントが、ビジネスモデルを有効に機能させるためのカギとなる。高品質ながら低コストの商品を提供しているユニクロにとっては、いかにサプライチェーンの中で無駄を削減していくかが重要だからだ。したがって、そのビジネスモデルを下支えするITシステムは、企業の競争力の強みの源泉とも言える。以前、ある人から聞いた話だが、ユニクロのサプライチェーンには既存のERPパッケージは導入できないとのことである。なぜならば、回転スピードが既存のERPパッケージよりも圧倒的に早いからだそうだ。つまり、相当高性能のサプライチェーンシステムが導入されているらしい。
そのシステムの役割として、基本は、店舗で不足した商品を生産現場と連動させて、いち早く店舗に供給することであろう。もちろん、そのためには、売れ筋商品の品切れによる機会損失の低下や、死に筋商品の早期撤退の見極め等、需要予測の側面が重要になる。つまり、記事引用の箇所で述べたように、在庫管理や生産調整という、コスト管理に大きな役割を担っているのである。

それにしても、システムの性能向上がこれだけの経常利益の増加をもたらしたのだとしたら、これは大変なことである。もちろん、その背景にはデルモデルのようにITだけでなく、人が支える部分も大きいのだろうが。
改めてビジネスオペレーションの重要性を感じた次第である。

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