Web2.0についてのWeb2.0メディアを用いた情報から

先日の内容で、Web2.0と楽天がかけ離れているのではないか、ということを書いたが、Web2.0がいかなるものであるか、ということについて、もう一度ちゃんと理解しようと思い、ウィキペディアで検索をかけた。結果はこれだ。なるほど、情報が確かに充実している。
この中で1つ分かった面白いことは、Web2.0という言葉自体は、「O'ReillyとMediaLive Internationalによるブレ インストーミングから生まれた」(Cnet日本語版サイト記事「Web2.0:次世代ソフトウェアのデザインパターンとビジネスモデル」より)ということである。

同記事によると、Web2.0の重要な特徴は、データベースに蓄積される情報、すなわち、利用者が増え、利用者の提供する情報が増えることによって、付加価値が増大するシステムにある。
同論文の中では、Web2.0企業のコア・コンピタンスとは以下の7つの項目であると述べている。
  • パッケージソフトウェアではなく、費用効率が高く、拡張性のあるサービスを提供する。
  • 独自性があり、同じものを作ることが難しいデータソースをコントロールする。このデータソースは利用者が増えるほど、充実していくものでなければならない。
  • ユーザーを信頼し、共同開発者として扱う。
  • 集合知を利用する。
  • カスタマーセルフサービスを通して、ロングテールを取り込む。
  • 単一デバイスの枠を超えたソフトウェアを提供する。
  • 軽量なユーザーインターフェース、軽量な開発モデル、そして軽量なビジネスモデルを採用する。
(上記項目 http://japan.cnet.com/column/web20/story/0,2000055933,20090424-6,00.htmより引用 2006年8月22日アクセス可能)

これらの内容を考えてみると、あながち先日書いた楽天に関する内容で示したWeb2.0の自分なりの整理も大はずれではなかったかなあとは思う。ただ、重要な点が抜け落ちていた。それは、ロングテール消費を取り込む、という点である。
アマゾンはこの点についてはその代表格のようなものだからいう必要はないが、楽天はどうなのだろうか。恐らく、個々の店舗ではそういう状況はあるように思えるが、それを良しと考えるか、それとも良くないと考えるか、これは売れ筋情報を中心としたPOSシステムの発想を楽天がどのくらい持っているかどうかという点とも関係があるかも知れない。売り場面積の制約がないが故に可能な流通形態がロングテール消費を生み出しているわけだが、楽天はどうなのだろうか。

こう書くと、楽天に対して批判的なようにも見えるが、必ずしもそう言うわけでもない。
冷静になって考えれば、別に1.0でも2.0でも、どっちの形態であっても、付加価値をどれだけ多く生み出せるのかということこそが重要だということに変わりはない。楽天は現状では、Web2.0的付加価値はほとんど無い。だが、楽天は各店舗に対し、担当者がコンサルティングを行うという形で見事にビジネスとして成功している。ノウハウの蓄積も相当なものがあるだろうし、実力主義が優秀な人材を引きつけていることも間違いない。
ただし、もし今後、日本でもWeb2.0に基づく新たなビジネスモデルが生まれるとしたら、こうした脅威はいかなる姿を持っているのか、興味のあるところである。Web2.0の様々なモデルを見ていると、どうも優秀な人材は本当に一握りでよく、それが壮大なデータベースシステムの種を築き上げ、後はそれをインターネットが発展させていく、という形をとっているように思える。
どちらのシステムが果たして本当に有効なシステムなのか、ある意味で、人間対データベースの戦いという、極めて興味深い戦いがこれからの数年間展開されるのかも知れない。

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