ユニクロの新プロジェクト

ユニクロが、新たに若手デザイナーとの共同プロジェクトとして、「デザイナーズインビテーションプロジェクト」を立ち上げた。

デザイナーズ インビテーションプロジェクト - ユニクロオンラインストア[store.uniqlo.com]

これは、同サイトによると「パリや日本で活躍する新進気鋭の若手デザイナー達とのプロジェクト」とのこと。また、8月23日付け日経新聞朝刊によると、ユニクロと同じ生地を使うこと以外は自由にデザインをしてもらい、その結果、今までのユニクロでは考えられないようなデザイン(例えば、フリース素材のコートなど)が出来たとのことだ。
アパレルメーカーにとってはデザインは極めて重要なポイントになる。ユニクロの今までの戦略を考えると若干その整合性には疑問が残るが、敢えてファッション性を磨き上げるために、外部のデザイナーと連携するという取り組みは、デザイン能力を磨く上で意義があるだろう。実際、同記事内にも「従来のユニクロでは考えつかないアイデアを取り入れた」とユニクロ関係者は述べている。
若手のデザイナーにとっても、自らのデザインした商品が市場に出回るという点で大きなメリットがある。消費者としても、ファッション性の高い衣料が、ユニクロの安い価格で手に入れることが出来るという点でもメリットがある。こうしてみると、3者ともメリットがある形になっている。

だが、果たしてこれが本当に成果に結びつくかどうかが問題である。ユニクロの商品であれば、多くの人が手に入れることが出来るため、「個性的」でなくなる可能性は高い。また、デザインに特徴があればあるほど、ユニクロを着ていることが分かる結果になるため、それが購入をためらわせる結果につながる可能性もある。所謂、「ユニバレ」であり、ユニクロというブランドの価値自体を高める取り組みも一方で必要なのではないだろうか。
なお、TrendStyleという形でユニクロはファッション性に優れた商品の導入を行っているが、これはオンラインショップと一部店舗のみでの取り扱いとなっている。だが、今回のプロジェクトに関しては、そういった販売網の制限は特に見受けられない。
果たしてどのようにユニクロが今回の取り組みを成功へと導いていけるのか、興味をもっている。

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